循環思考
ロジックツリーだけでは解決しない、複雑な問題を解決する技術
循環思考
著者:横山 禎徳
出版社:東洋経済新報社
出版日:2012/3/30
Amazon商品の説明より
『循環思考』
「わが社は営業力がよわい」「だから、営業力を強化しよう」「わが社はここ数年横ばいだ」「だから、成長戦略をつくろう」あなたの会社では、こうした「問題の裏返し」の答えがはびこっていないだろうか?「問題の裏返し」の答えは間違った答えではないが、何をどうしたらいいかわからない答えだ。しかも、誰でも考えつくものであり差別化されていないので、戦略的でもない。
本書はまず、問題の裏返しをして、答えを出すこと恥と考えることから始めようと説く。
そして、問題の裏返しではない答えを見つけ出す解決のアプローチとして、循環思考を提示している。
循環思考では、まず、問題・課題にまつわる悪循環を見つけ出すことを解決への第一のステップとしている。悪いことや好ましくないことが起こると、それが原因になって余計に悪くなって戻ってきてしまうというのが悪循環である。この悪循環が見つかると、真に解決すべき「中核課題」が見つかる。そして、その中核課題を解決するための良循環を創造する。
本書は、ロジックツリーだけでは解決しない、複雑な問題を解決する技術を提唱していく。
目次
| はじめに |
| 第1章 | なぜ、問題を循環で考えるのか |
| ロジック・ツリーやプロフィット・ツリーで考えることの限界 |
| ◎ | すべての道具は万能ではない |
| ◎ | ロジック・ツリーやプロフィット・ツリーの二つの問題点 |
| ◎ | 「問題の裏返し」は質のいい答えではない |
| 問題の構造を知るだけだはなぜ不十分なのか |
| ◎ | 構造は唯一無二のものではない |
| ◎ | 目的が変われば、見るべき構造も変わる |
| 現実社会では時間が流れている |
| ◎ | 連続する時間の流れの中での変化は予測可能 |
| ◎ | 変化はS字カーブで起こる、だから組織は容易に納得しない |
| 「循環」で考えることの意味 |
| ◎ | 世に蔓延する「リニア思考」 |
| ◎ | 「リニア思考」から脱却し「循環思考」へ |
| ◎ | 循環で考えると、「スパイラル状に発展する」筋道が見えてくる |
| 「循環思考」のダイナミックス |
| ◎ | 現状の延長、積み上げで考えることの限界 |
| ◎ | つねに「次のステージ」へ移ると意識する |
| 経営コンサルタント的思考の限界 |
| ◎ | あなたのもっている道具がカナヅチ一丁ならば、すべての問題が釘に見えてくる |
| ◎ | 経営コンサルティングはまだ「ダイナミックス」をうまく扱えない |
| ◎ | 要素還元思考の「新たな」意味合いは |
| なぜ、循環でとらえたらうまくいったのか |
| ◎ | アーバン・デザイン、システム・ダイナミクスに触れる |
| ◎ | マッキンゼーに入社して、戦略遂行のための組織デザインに取り組む |
| ◎ | 組織デザインのアプローチの中で「循環思考」に出会う |
| ◎ | 従来の問題解決アプローチでは複雑な連鎖を扱えない |
| ◎ | 「ミニプラン」アプローチの有効性 |
| 「循環思考」の本質は新たな循環をつくりだすこと |
| ◎ | 成長とは「拡大の一部」 |
| ◎ | 拡大するためのエンジンとして循環を組み込む |
| ◎ | 一次市場と二次市場の循環で考える |
| ◎ | 「社会システム・デザイン」のアプローチとは |
| 第2章 | 中核課題を定義する |
| 「問題の裏返し」が答えにならない理由は |
| ◎ | 問題の裏返しは戦略的な答えではない |
| ◎ | 中核課題と「悪循環」を見つけだすのが第一歩 |
| 現象と課題の区別はどうしたら可能か |
| ◎ | 現象は所与、課題は期待値とのズレ |
| ◎ | バイオマス・エネルギーは一過性の現象か |
| ◎ | サブプライム問題は「現象」か、それとも「課題」か |
| 「本質を突く課題」とはどのようなものか |
| ◎ | 本質を突いていないが、外してもいない課題設定 |
| ◎ | 住宅問題で理解する「本質を突く課題設定」 |
| 課題が複数ある場合はどうすればいいのか |
| ◎ | 本質を突いていれば、答えを求めやすいものからアプローチ |
| ◎ | 課題の境界条件を狭く設定しないように注意 |
| 課題設定のコツはどのようなものか |
| ◎ | 課題設定は誰かではなく、自ら行うものと心得る |
| ◎ | 現象、問題を超えて課題を見つける |
| ◎ | ナチュラル・シンキング――所属している組織の制約から離れて考える |
| ◎ | 「変革は辺境から」というナチュラル・シンキング |
| ◎ | 自分の思考の枠組みを意識する |
| 中核課題を見極めるコツとはどういうものか |
| ◎ | 中核課題を探し出すのに必要な「醗酵プロセス」と「自己組織化」 |
| ◎ | 「悪循環」を繰り返し考えることの効用 |
| 適切な課題を設定しているかを確かめるには |
| ◎ | まず、「悪循環」に戻ってみるのがいい |
| ◎ | 「少子高齢化」の「悪循環」はつくれるか? |
| なぜ「論点整理」をしてはいけないのか |
| ◎ | わかっていることのリストに意味はない |
| ◎ | わかっていないことを見つけだすには |
| 第3章 | 循環を見つけだす |
| 循環を見つけだすのは難しいのか |
| ◎ | 一見、直線的な現象にも循環が潜む |
| ◎ | 累進効果、反転効果、補完効果――三つの効果に着目する |
| 中核課題よりも悪循環の発見を優先する |
| ◎ | 良循環が回っていれば課題は見つけられない |
| ◎ | 中核課題と「悪循環」は表裏一体 |
| 「悪循環」をいかにして見つけだすのか |
| ◎ | 悪くなれば余計に悪くなるという点に着眼する |
| ◎ | 事例 少子化――次のステップがどうなるか |
| 「悪循環」は昔から悪循環だったのか |
| ◎ | サハラ砂漠はかつて緑豊かな地域だった |
| ◎ | 限界を知らず知らずのうちに超えてしまう |
| 「悪循環」を逆回転、あるいは裏返せば「良循環」になるのか |
| ◎ | 時間を逆転させることはできない |
| ◎ | 「良循環」は「悪循環」の裏返しではない |
| 「良循環」をいかにしてつくりだすのか |
| ◎ | 一〇〇回以上考える |
| ◎ | 「良循環」は一般解か特殊解か |
| ◎ | 「良循環」を自己増殖させるのが「社会システム・デザイン」の最終目標か |
| 「良循環」を描ききるのに必要なことは何か |
| ◎ | 「悪循環」とはあまり関係ないところから発想する |
| ◎ | 事例 少子化問題を考える手がかり |
| ◎ | 「何を知らないのか知らない」状況から抜けだす |
| 「良循環」と「悪循環」の関係は |
| ◎ | 人によって違う循環の良し悪し |
| ◎ | 「良循環」を創造することに抵抗する守旧派 |
| ◎ | 「良循環」の寿命はどのくらいか |
| つくりだした「良循環」の筋の良し悪しを見極めるには |
| ◎ | 良し悪しを見極める三つのポイント |
| ◎ | ポイント1 循環に無理がある |
| ◎ | ポイント2 罰則、規則、法律に頼りすぎる場合 |
| ◎ | ポイント3 マクロすぎて動き方がイメージできない |
| 第4章 | 「良循環」を駆動するサブシステム |
| 「良循環」が回り始めるのに必要なことは何か |
| ◎ | サブシステムとは何か |
| ◎ | サブシステムが動き始めれば、新しいOSが動き始める |
| ◎ | サブシステムは三つが適切 |
| ◎ | 強制力だけに依存しないのが優れたサブシステム |
| ◎ | サブシステム、サブサブシステムと掘り下げていく |
| そもそもシステムとは何か |
| ◎ | システムとインフラはどこが違うのか |
| ◎ | ダイナミズム――「社会システム・デザイン」のかなめ |
| ◎ | ベストよりベターを目指すのはなぜか |
| サブシステムを考えることのメリットは |
| ◎ | サブシステムは「良循環」実現のかなめ |
| 第5章 | ケースで理解する「循環思考」 |
| ◎ | 医療システムをデザインする作業を通じて理解する |
| ◎ | 企業に今、「社会システム・デザイン」的発想が求められている |
| ◎ | 「超高齢化社会経営」という文脈の中での「医療システム」 |
| ◎ | 日本は医療で「消費」ができない国 |
| ◎ | 悪循環を描きだした後、中核問題に迫っていくのが原則 |
| ◎ | 悪循環に共通する問題「医師を特別視する」 |
| ◎ | 特別視をやめ、医師とのコミュニケーションを改善 |
| ◎ | ひたすら「削る改革」から資金を入れて「生産性の改革」へ |
| ◎ | 医師と市民が出会い交流するサブシステム |
| ◎ | 医療基金にまつわるサブシステム |
| ◎ | 公的機関によるADR等の支援サブシステム |
| ◎ | 社会システム・デザイナーの育成が必要 |
| 第6章 | 「社会システム・デザイン」への誘い |
| 循環思考力を高めるのに必要なことは |
| ◎ | リニア思考から抜けだすことが第一歩 |
| ◎ | 循環の具体例を拾いだす |
| ◎ | 数字を押さえることも大事 |
| 複雑な社会・企業の問題において実践するために必要なことは |
| ◎ | 直感でわかりやすく、マクロ的すぎない「悪循環」 |
| ◎ | 「場合分けによるメリハリ」がマクロ的当たり前からの脱却法 |
| 循環思考は「社会システム・デザイン」のアプローチか |
| そもそもデザインとは何か |
| ◎ | 正しい答えや理想的な答えのない作業 |
| ◎ | 分析と統合はいかにして両立するか |
| そもそも「社会システム」とは何か |
| ◎ | オートポイエーシスという概念 |
| ◎ | アロポイエティック・システム |
| 何ができれば社会システム・デザイナーと呼べるのか |
| 戦略立案と「社会システム・デザイン」の関係は |
| ◎ | 経営コンサルティングの方法論の上につくりあげた |
| ◎ | 共通点と違う点 |
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