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『問題解決』実践講座

『問題解決』実践講座

第2回 問題解決手法における「最初の一歩」

2011 年 10 月 6 日

現場で使える問題解決手法・問題解決スキルを一挙公開

本連載、『問題解決』実践講座では、企業の業務改善コンサルティングを行う株式会社プロセス・ラボの代表取締役 松浦剛志氏に、ビジネスパーソンにとって必須のスキル「問題解決」を解説いただきます。

問題解決を成功させる「型(問題解決プロセス)」と「勘所(各プロセスにおけるポイント)」を、分かりやすい解説と具体的なビジネス事例を使って学びましょう。本連載を読んだビジネスパーソン自らが問題解決者(プロブレムソルバー)となれるよう、実践的な問題解決手法・スキルを網羅しています。

現場で実際に活用できる問題解決手法・スキル問題解決事例を本連載で体感してください。

『第2回 問題解決手法における「最初の一歩」』

本連載の初回は問題解決のプロセスについて解説した。
今回からは問題解決プロセスにおける各ステップのポイントを解説する。ポイントとは、ここに気をつけるとグンと解決への近道になるという、問題解決力を習得する際の勘所といえる。
連載2回目の今回は、問題解決プロセスの最初のステップ
「問題提起」
のポイントについて解説しよう。

問題提起の全体像

普段から問題を共有し問題解決に取り組んでいる組織なら、改めてこのステップを踏む必要はないが、なかなかそうは行かないだろう。
問題の棚卸といった感じになるが、たまには手がける必要がある。
このステップではいくつかのポイントに気をつけながら、モヤモヤとした意識下の問題をどんどん明文化して「吐き出す」ことが重要だ。
問題は、たった1つが単体として私たちの目の前の現れることは稀で、関連しあういくつかの問題がパラパラと私たちの目の前に現れるのが通常だ。例えば、売上の減少傾向という問題は、お客様からのクレーム増加や、競合の躍進、トップセールスの退職などいくつかの関連しそうな問題とほぼ同時期に現れてくる。
これらの複数の問題を「点」として捉えるのではなく、「線」として捉えるための最初の一歩が、この問題提起のステップになる。
このステップでは、ブレーンストーミングのように、反対意見を言わずに問題意識をどんどん出していく。
問題の真偽について疑義を唱えたくなっても、それは後回し。自分達が今は問題提起のステップにあることを思い出し、問題の真偽の確認は後のステップに回そう。
実際に職場でこのステップを実施するなら、1つのポストイットに1つの問題を書き出して、テーブルの上にどんどん貼りだしていく手法がお薦めだ。

抽象化ではなく具体化せよ

それではこのステップのポイントを整理していこう。

前回、問題とは、望ましい姿とそうでない現実の姿とのギャップである、と解説した。
だとすると、望ましい姿と望ましくない現実の姿の両方が理解されていないと、そもそもギャップは存在しないことになる。
しかし現実の問題意識は、必ずしもその両方が明確でなくても、ふつふつと沸いてくるものである。
どうしたいのか?どんな姿が理想か?と問われても自分でも納得いく回答が即座にできない。でも何か違和感がある・・・。
そんな曖昧な違和感でも、ここでは問題として書き出そう。
ただし、一度書いてみた曖昧な問題は、もっと具体化できないかを考え、それが可能であればポストイットを書き換えることが必要だ。

【例】パートナー企業の仕事スタイルがだらしない⇒パートナー企業の受付は朝の時間帯に電話がつながらない

また、問題を具体的に書き換えていくと、1つの問題がさらに複数の問題になることがある。その場合は、複数の問題に書き換える。

【例】パートナー企業の仕事スタイルがだらしない⇒パートナー企業の受付は朝の時間帯に電話がつながらない+クライアントへの提出書類に誤字脱字が散見される

複数の物事をまとめるという私たちの抽象化の能力は便利ではあるが、問題解決においては時としてそれが邪魔になる(KJ法によるマッピング+抽象化はこのステップでは使わない!)。
抽象化された問題への解決策は、打ち手としてもパターンが少なくなってくるし、その打ち手自体も抽象化してしまう。
「パートナー企業の仕事スタイルがだらしない」という問題提起では、打ち手は
1.パートナー企業を他社に変える
2.パートナー企業にきっちりしてもらうよう申し入れる
3.致命的ではないので、そのままにしておく
という3択になるだろう。しかも、2の打ち手では、場合によっては先方が「具体的に言ってくれないと、どこがだらしないと指摘されているのかわからない・・・」となるかもしれない。
一方で、「パートナー企業の受付は朝の時間帯に電話がつながらない」「クライアントへの提出書類に誤字脱字が散見される」と問題を具体的に捉えていたらどうだろうか。
「電話による連絡は、受付宛ではなく個人の携帯電話にする」とか「提出書類の最終チェックは当社で実施する」など打ち手の選択肢も広がり、「提出書類の誤字脱字チェックをしっかりやってくれ」と言えば、パートナー企業にとっても修正すべき点が具体的で明確だ。

変化を問題として捉えよ

また、現時点で問題と言ってよいのか分からないが、何か気になる・・・という変化があったら、それも問題として書き出そう。
・若手社員の離職率が高くなってきた
・政府高官が円高容認発言をした
という事実があるとしよう。変化は均衡を崩す。チャンスのときもあればピンチのときもある。現段階ではピンチへの変化だと断言できなくても、嫌な予感がするなら問題として書き出そう。

問題提起に因果関係は持ち込むな

このステップのポイントはまだある。
ついつい、やってしまうのが因果関係の持込だ。
「交通網の渋滞で納入が遅れる」と問題が書き出してあったら、修正の必要がある。この文章は「交通網が渋滞している」+「納入が遅れる」という2つの問題として別々に書き出す必要がある。
これらの問題には確かに因果関係があるかもしれないが、この段階では因果関係を持ち込まないのがポイントだ。
因果関係の確認は別のステップでまとめてするので焦ってはいけない。
(初回に解説したように、論点を分けることで議論をしっかりと進めていこう!)

問題提起から問題確認にむけて

問題解決プロセスの最初のステップ、「問題提起」のポイントを理解できただろう。
目の前に大量に貼られたポストイットをこのあと、どのように整理していくのか・・・
次回は、2番目のステップ、「問題確認」のポイントを指南する。

株式会社プロセス・ラボ
プロセス・ラボ社は企業の業務現場、製造現場、システム導入・運用の現場における業務改善コンサルティングを手掛ける。
業務現場・コンサルティング・アウトソースのそれぞれの経験を通して培った業務プロセスを理解・改善する実践的な手法を開発し、研修・コンサルティングを提供している。

(コンサルティングメニュー)
■講義中心に学ぶ→業務改善手法の研修 ■手を動かしながら技術を身につける→フローチャート作成講座/業務改善ワークショップ ■改善成果をあげながら体得する→業務改善コンサルティング/システム(ERP)導入コンサルティング/業務フローチャート作成請負

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