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カナモリさんのいうとおり~ season2

カナモリさんのいうとおり~ season2

別化ではなく最適化せよ!

2009 年 2 月 10 日

Cc: Photograph by Wiedmaier

【編集部からのコメント】
前回に引き続き、市場ポジションに応じた戦い方について、今回はニッチャーの戦い方をカナモリさんに解説頂きます。経営資源の量で劣っていても業界のニッチャ―として高い収益を誇る企業は結構多いですよね。生存領域を確保し、最適な戦いを挑み、生き残る企業となりましょう。
これってある意味ニッチ!?
スキマは落ち着くなぁ~
Cc:activefree/Flickr


前回は「リーダー対チャレンジャーの戦い」におけるチャレンジャーの戦略の要諦は「徹底した差別化」であると述べた。
今回は「ニッチャー」の戦い方について考えてみよう。

「リーダー」は文字通りチャンピオンで、業界のナンバー1。唯一にして強大な力を持つ企業である。
では、「チャレンジャー」というポジションにその企業があるかどうかは何によって決まるのか。それは、生き残りの要諦である、「リーダー」に対して「差別化」という攻撃を仕掛け続けることができるか否かだ。
「攻撃は最大の防御」ともいうが、リーダーに戦いを挑み続けることでその存在が掻き消されることを防ぐ。しかし、強大な力を持つリーダーに対して戦いを挑み続けるということもまた、かなりの体力を要する。どんな企業でもそれができるかといえば、それは難しい。

となると、その企業の目指すべきポジションは「ニッチャー」である。
「ニッチ」は今日カタカナ言葉になっているが、原義は“飾り物などを置く壁面のくぼみ”であり、また、“(人・物に)最適の地位(場所・仕事)”を表わす。

では、いかにして「最適の地位」を確保するのか。
それには、その企業の持つ「バリュープロポジション」を明確にすることが原点だ。バリュープロポジションとは、「顧客が求める競合には真似のできないその企業独自の提供価値」であるといえよう。その実現のためには、独自の技術なのか、サービスの提供方法なのか、各企業の力の源泉を明らかにする必要がある。自社のビジネスの棚卸しが欠かせないのだ。そしてその「力の源泉」をもって「独自の生存領域を確保すること」が戦略の要諦である。

「リーダー」は業界にただ1社。「チャレンジャー」となれる力を持っている企業も数は限られている。しかし、「ニッチャー」としてバリュープロポジションを明確にし、様々な方法で生き残り成功している企業は数多い。その多様性からなかなか具体例を列挙するのは難しいが、あえてエクセレントな例を上げるとすれば、 “INSIGHT NOW”で竹林篤実氏が執筆し人気記事になっている「キーエンス」だろう。
詳しくは、同記事を参照いただきたいが、その高収益の秘密は、とにかく顧客に密着し、徹底的に要望を聞き出し、最適化したソリューションを提供することにある。
つまり、市場全体を見て、リーダーとの「差別化」を図るのではなく、顧客を見て、その要望に「最適化」することによって、生存領域を確保して高収益を生んでいるのだ。

「ソリューション」という言葉は、今の時代、一種のブームであるが、真の「最適化」によってソリューションの本来の意味「問題解決」ができているケースは意外と少ないのではないだろうか。それは、本当の問題解決はそんなに簡単なことではないからだろう。
特定の顧客に張り付き、徹底して傾聴する。実にニッチな動き方ではなるが、単に言葉面だけのソリューションとは一線を画しているのは間違いない。

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