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仕事力が倍増!のマインドフルネス・アプローチ!

仕事力が倍増!のマインドフルネス・アプローチ!

第二回 落ち着きとパワーを取り戻す『瞬間リフレッシュ法』

2014 年 6 月 10 日

「マインドフルな状態をキープして、仕事に取り組む」すなわち、スッキリとした頭で落ち着いて、目の前のやるべきタスクに集中して取り組む。連載の一回目で説明した通り、ビジネスの目標実現や業績達成には不可欠です。

でも、マインドフルな状態をキープするのは、極めて難しい(涙)。

それどころか、マインドフルとは正反対に、ストレスに振り回されながら仕事をしているのが普通です。期限に追われて焦っていたり、お客さんや上司の顔が浮かんでプレッシャーを感じたり、良いアイディアが出てこなくてイラついたり。胸が締め付けられたり、胃がモヤモヤしたり、こめかみにチカラが入ったり、肩が緊張してこわばったりも。やたらとお菓子に手が伸びてしまう人もいるハズです。

過度にストレスな状態では、マインドレスに行動しがち。そうなると仕事のパフォーマンスそのものが低下します。場合によっては、心身の不調まで引き起こしてしまいます。

今回は「頭がスッキリしないなぁ〜」「ムカムカ/イライラするなぁ〜」「気持ちが折れそうだぁ〜」というときの処置方法を共有します。

もくじ

脳のデフォルトモード・ネットワーク(DMN)

脳には、大きく二種類の神経ネットワークあります。

一つは、しっかりと意図的に集中して課題(タスク)をこなす時に活発化する「中央実行系ネットワーク(CEN)」。

もう一つが、特別な意図なしの思考(空想や記憶の想起、自己モニタリング、他者の心の推定など)をする時に活発化する「デフォルトモード・ネットワーク(DMN)」です。

これらは、一方の活動が高まると、もう一方の活動が静まる・・というシーソー関係で動きます。「作業担当」と「思考担当」みたいなものですね。

気持ちに余裕があるときは、CENとDMNがバランスよく働いています。我を忘れて仕事に没頭しているときは、CENが活発に。一方で、ふと何かを思つく時(良いアイディアの場合もあれば、雑念の場合もありますが・・)はDMNが動き出しているのです。

ところが、DMNは暴走してCENとのバランスが崩れてしまいがち。そんな状態では、狙ったパフォーマンスを発揮できなくなります。集中して仕事すべきなのに、心配事や不安が心に浮かんで来てしまう・・。思考(というか雑念とか不安)が突っ走ってしまって「上の空」。作業に集中できなくなるからです。

DMNの暴走は、カラダのこわばり(過緊張、肩凝り、頭痛など)まで引き起こす可能性があります。「意図に反して、心配事や不安が次々と頭の中に思いついてしまう」ということ自体がストレス。それなのに、カラダの不調まで引き起こされては、たまったものではありません。

DMNの暴走を防ぎ、脳内のバランスを取り戻す技術を身につけておくことが、パフォーマンスをあげるためには不可欠です。なぜなら、仕事においてストレスの素(期限とか期待とかプレッシャーとか)自体がなくなる事はないからです。

言い換えると、ストレスの素に振り回されずに上手く対処できるチカラを身につけて、思考担当であるDMNの暴走を防ぎたいのです。

DMNの暴走を食い止めるには?

中央実行系ネットワーク(CEN)を稼働させる事で、暴走し始めたデフォルトモードネットワーク(DMN)を強制的にお休みに追い込むのです。

「作業担当のCEN」と「思考担当のDMN」はシーソー関係・・と前章で述べました。この性質を応用します。

「刺激(音や体の動きや匂いなど)を五感でしっかり確認する作業で、暴走している思考を沈ませる」作戦です。焦ったりイラついたりの自分のストレス状態を察知したら、すかさずこの「スイッチOFF作戦」を実践するのです。

実は、この基本メカニズムは「メディテーション(瞑想)」と共通です。瞑想とは、「意図的に何か(=呼吸など)に集中し続けている作業」なのです。だから、「無(=何も思考していない状態)」になれるのです。座禅も同様です。

ビジネスの世界でも、瞑想を業績に結びつけた体験を持つ人が増えています。先日は、インテル社が世界の10万人の従業員に対して瞑想を中心としたトレーニングを導入したという記事が出回っていました。

インテル社が導入、「瞑想で業績を上げる」マインドフルネスプログラム(ハフポスト)

・・・そうは言っても、普通の人にはやっぱり難しい(笑)!

『無になる』とか『何も考えない』なんて難易度が高過ぎ!目をつぶったら、すぐに寝落ちしてしまいそうだしね。朝起きて、30分くらい瞑想して・・なんて無理 (>_<)! 大抵、寝坊しているし(爆)。

そもそも、「同僚からイヤミを言われて、頭がカ〜っとなっている!どうしよう〜」とか「上司から急ぎの仕事を頼まれて、うわぁ、、、焦りだした〜」といったタイミングで、瞑想を始める訳にも行きません。

「DMNが暴走を始めそうだ!」と気づいた瞬間に繰り出せるワザが欲しいのです。

瞬間リフレッシュ法

しつこいですが、「作業担当のCENを高めると、(暴走しそうな)思考担当のDMNを静める」という手法を実践します。

五感を通じて、何かの刺激を確認(認知)する」というシンプルな手法です。具体的な実践アイディアは無数にあると思います。ご自身でも数々の「ネタ」を持っておいた方が、様々な場面やシチュエーションに対応できます。

私たちがよくやっているのは、次のようなものです。
― 音を数える
今の瞬間に、耳に入ってくる音をすべて数える。大きい音だけでなく、かすかな音もあるはず。場合によっては、自分のお腹の鳴る音なんかも。

― 一口の珈琲
五感をフル動員してコーヒーを飲む。カップの重み/手のひらの暖かさ/鼻の内側に浸透する香り/舌の上での熱さ/喉を通り過ぎる感触・・。たった一口でも色んな発見が。

― 椅子の感触
自分との接点の具合を注意深く。背中のあたり具合、お尻と座面の接地、左右の腰の体重バランス、足裏と床との接し方。腰痛を思い出させたら、ゴメンなさい

― ボディスキャン
カラダのコワバっている箇所を見つけ出す。足先⇒足首⇒膝⇒股関節⇒指先⇒手首⇒肘⇒肩⇒腹⇒胸⇒首⇒顔⇒頭と順番に。慣れるとホンの一瞬で出来る。

― 緊張している自分を観察
自分自身の動きを観察する。汗ばんだ指先やドキドキと動く心臓など。慣れてくると呼吸が浅くなっているとか、早くなっているとかも気づける!

― 怒鳴っている上司
目の前にいるのだから、やりやすいかも。脂の浮いた眼鏡、飛び出した一本の鼻毛、剃り残しのヒゲ、口から飛び散る唾。本人の前で、笑い出さないように注意を!

― その他
オフィスの花の香りを嗅ぐ、口の中のグミをじっくり味わう、エアコンからの風の流れを感じる・・などなど!!

遊び感覚でアイディアを出して、自分なりのお気に入りを作っておく事をお勧めします。その日の調子や気分によっても、効果的なアイテムが変わってくるはずです。

大切な事は、「意図を持って感じることに集中」「観察に徹する」ということ。感じた後に、「評価」「感想」「連想」などを入れません。なぜなら、それらはDMNの働きだからです。

このリフレッシュ法で、緊急事態への対応方法そのものが生まれる訳ではありません。また、ストレスの素そのものがなくなる事もありません。

このリフレッシュ法のメリットは、意図的に自分を制御できる「マインドフルな自分」をクイックに取り戻せることです。マインドレスな意図しない行動をとりそうになる自分に、「待った!」をかける落ち着きが出ます。

そういう意味で、「自分の状態を常に観察し続ける『意図』を持ち続ける」がマインドフルな自分を保つ秘訣とも言えます(こういうチカラを、メタ認知力と呼びます)。「今、自分はストレス状態にあるぞ!」と感じることができるチカラをもっておくということです。

「60秒ウィル」で新鮮スタートを

ここまで、暴走しはじめたDMNを瞬間的にリフレッシュする手法をシェアしました。さらに身につけておきたいのは、「ひと仕事のまえに、DMNとCENを良いバランスに整えてから新鮮なスタートを切るノウハウ」ですね。

もちろん「瞬間リフレッシュ法」で頭を整えてスタートするのでもOKですが、少し時間をとって(といっても1〜2分程度で)「ウォーミングUp」するのも有効と言われています。

そこには、いろいろな手法が存在します。可能なら自分流のテクニックを作ってみるのも良いと思います。

一つの参考ネタとして、カナダの実業家が考案した「Whil」という60秒のリフレッシュ法を次回にご紹介します。

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